糖尿病

　糖尿病は、血糖値（血液中のグルコース）が高くなる病気で、適切な管理を行わないと深刻な合併症を引き起こすリスクがあります。糖尿病の早期発見と適切な治療は、健康を維持するために非常に重要です。
　当院では、患者さま一人ひとりに最適な治療方法を提供し、生活の質を向上させるサポートを行っています。

　糖尿病の本質は、体が必要とするインスリンが適切に作用しないことにあります（後述するインスリン分泌低下とインスリン抵抗性を参照）。インスリンは、血液中のグルコース（糖）を細胞に取り込み、エネルギーとして使えるようにするホルモンです。この働きが正常に行われないと、血糖値が高い状態が続き、さまざまな健康問題を引き起こします。
　血糖値が長期的に高い状態がつづくと、血管への傷害を通して、目、腎臓、神経、心臓、脳などの疾患を引き起こしやすくなります。後遺症が残ってしまうだけでなく、命に関わる危険性もあります。

※インスリン分泌能低下：膵臓β細胞の機能低下により、インスリンが作れなくなってしまう状態。

※インスリン抵抗性増大：インスリンは十分な量が作られているけれども、肥満や炎症などの影響でインスリンが効きにくくなっている状態。

当院では、専門的な見地から適切な糖尿病管理に寄与する治療法を提供し、患者さまの血糖値を安定させるための最適な治療プランを策定します。

　糖尿病は主に以下の4種類に分けられます。それぞれの病態や治療方法に関して、専門的なサポートが求められます。

　　糖尿病の治療は、患者さまの症状や生活状況に合わせて個別に対応することが大切です。
　当院では、臨床技術と専門知識を駆使し、糖尿病管理を支援します。具体的には以下の方法で血糖値を適切にコントロールします。

• 食事療法
  　糖尿病治療の基本は食事療法です。血糖値を安定させるためには、適切なカロリー摂取と栄養バランスが欠かせません。当院ではご希望される方に、管理栄養士による個別指導を行い、患者さまに合った食事プランを提案します。
• 運動療法
  　定期的な運動は、インスリン感受性を高め、血糖値のコントロールを助けます。歩行やジョギング、筋力トレーニングなど、無理なく継続できる運動を組み合わせることが効果的です。
• 薬物療法
  　2型糖尿病の進行に伴い、経口薬やインスリン注射が必要になることがあります。経口薬には、インスリンの働きを改善する薬、インスリン分泌を促進する薬、糖の吸収をゆるやかにする薬、尿から糖を排出する薬などが使われます。またインスリンとは異なる注射製剤もあります。ある種の薬には血糖値を改善する作用だけでなく、体重減少作用や食欲減衰作用、臓器保護作用をもつものもあります。
  　1型糖尿病の場合、インスリン注射が欠かせませんが、内服治療を併用してよりよい血糖管理を目指すこともあります。インスリンの注射方法や投与量は、食事内容や血糖値に応じて細かく調整します。質の高いインスリン療法の実践は、専門医としての強みとも言えます。様々な治療選択があるなかで、個々の患者さまに最適な薬を処方し、治療効果を最大限に引き出します。

　血糖値の自己測定は糖尿病管理に欠かせません。定期的に血糖値を測定することで治療効果を確認し、必要に応じて投薬調整を行います。
　当院では、自己血糖測定の指導も行っており、注射製剤を使用している方や妊娠糖尿病の方には保険診療の範疇で自己血糖測定に必要な物品を提供することができます。

　糖尿病は適切な管理を行うことで、日常生活を支障なく過ごすことができます。
当院では、糖尿病の専門医が一人ひとりに合わせた治療計画を立て、患者さまの健康維持をサポートします。
　糖尿病に関するご相談や治療方法について、まずはお気軽にご相談ください。