生活習慣病は、食生活、運動習慣、ストレスなどの生活習慣が長期間にわたり影響を及ぼして発症する病気です。これらは、心臓病、脳卒中、糖尿病、がんなどの慢性疾患を引き起こすリスクを高めるため、早期の発見と予防が非常に重要です。

当クリニックでは、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症を中心に、生活習慣病に関する診断と治療を行っています。

脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が異常に高い状態が続く病気です。これにより動脈硬化が進行し、心疾患や脳卒中のリスクが増加します。

脂質異常症には主に以下の種類があります

  • 高LDLコレステロール血症:悪玉コレステロール(LDL)が高い状態。
  • 低HDLコレステロール血症:善玉コレステロール(HDL)が低い状態。
  • 高中性脂肪血症:血液中の中性脂肪(トリグリセリド)が高い状態。
  • 生活習慣の改善:食事改善(低脂肪・低カロリー食)、運動習慣の導入、禁煙、アルコール制限が基本となります。
  • 薬物療法:脂質異常症(高脂血症)の治療薬にはいくつかの種類があります。主な治療薬を以下に挙げます。

◎スタチン系薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬):LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を低下させる作用があり、心血管疾患の予防にも効果が期待されます。

◎フィブラート系薬:主にトリグリセリドを低下させ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させる効果があります。

◎コレステロール吸収抑制薬:小腸でのコレステロール吸収を抑制し、血中のLDLコレステロールを低下させる作用があります。

◎PCSK9阻害薬:LDLコレステロールの受容体の分解を抑制し、LDLコレステロールを大幅に低下させる効果があります。

◎ニコチン酸系薬:主にHDLコレステロールを増加させ、トリグリセリドを減少させる作用があります。

◎オメガ3脂肪酸製剤:血中のトリグリセリド値を低下させる効果があります。また、体内の炎症を抑える働きもあり、動脈硬化の予防に寄与する可能性があります。

これらの薬剤は、個々の患者の症状やリスクに応じて組み合わせて使用されることもあります。治療の選択は医師が行いますので、治療方法については専門医と相談することが大切です。

高血圧症は、血圧が持続的に高い状態が続く病気です。高血圧は動脈硬化を進行させ、心臓や脳に負担をかけ、最終的には心筋梗塞や脳卒中を引き起こす危険因子となります。

高血圧は以下のタイプに分けられます:

  • 本態性高血圧:原因が不明で、生活習慣や遺伝的要因が関与している場合。
  • 二次性高血圧:腎血管狭窄やホルモン異常など、他の病気が原因で血圧が高くなる場合。
  • 生活習慣の改善塩分制限、減量、適度な運動、禁煙、ストレス管理が重要です。

     食事で摂取する塩分1日6g未満を目安にすることが望ましいです。また、野菜や果物を多く摂取(糖尿病や腎臓疾患を合併している場合は注意が必要です、医師にご確認ください)し、低脂肪・高繊維の食事を心がけるとより効果的です。

     運動は一般的に週に3〜5回、1回あたり30分程度の有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)が目安とされ、この運動の頻度と時間が、高血圧の管理に効果的とされています。

     食事療法運動療法を通して、適正体重を維持することが重要です。

     また、肥満は睡眠時無呼吸症候群などを併発させ、夜間から朝方にかけての血圧を上昇させる可能性があります。

     喫煙は血圧を上昇させるため、禁煙を強く推奨します。

     飲酒に関してはアルコール摂取を制限したほうが良いとされており、1日あたりの摂取量を男性で20g、女性で10g以下に抑えるとよいです。20gの具体例としては、ビール大瓶1本(500ml)、ワイン約グラス2杯分(240ml程度)、ウイスキー(40度)約40ml、焼酎(25度)約40mlが挙げられます。
  • 薬物療法:降圧薬(ACE阻害薬、ARB、カルシウム拮抗薬、利尿薬など)が使用され、個別に調整されます。医師の指導のもと、適切な薬を服用し、定期的に血圧をモニタリングすることが重要です。
  • 原因疾患の治療:二次性高血圧の場合、血圧を上昇させている疾患そのものの治療が効果的です。
  • 血圧測定と管理目標値

  ◎一般的な目標
   収縮期血圧(上の血圧) 130 mmHg未満
   拡張期血圧(下の血圧) 80 mmHg未満

高齢者や特別な病状(糖尿病、腎疾患など)がある場合には、目標値がやや異なることがあります。医師と相談のうえ、個別に決定します。

◎自宅での血圧測定
血圧は診察時だけでなく、自宅で定期的に測定することが大切です。朝晩2回程度、安静時に測定し、記録しておくとより効果的です。

高尿酸血症は、血液中の尿酸濃度が高い状態です。尿酸の産生と排泄のバランスが崩れることで起こります。尿酸が関節に沈着することで痛風を引き起こし、激しい関節の痛みを伴います。また、尿酸が腎臓に沈着することで腎結石や腎障害を引き起こすこともあります。

高尿酸血症の主な原因は以下の通りです
食事:プリン体を多く含む食品(内臓肉や魚介類など)の摂取。
アルコール:特にビールが尿酸値を上昇させやすいです。
肥満:体重が増加すると尿酸の排泄が減少します。
脱水:血液中の尿酸の濃度が上昇します。

生活習慣の改善:プリン体の摂取を控え、アルコール制限、体重管理が必要です。

薬物療法
 尿酸生成抑制薬、尿酸排泄促進薬が使用されることがあります。
 治療は個別の状態に応じて異なり、医師が尿酸値や症状に基づいて最適な薬を選びます。
 薬物治療の他にも、食事や生活習慣の改善が治療の一環として重要です。高尿酸血症の治療を受ける際は、定期的に血液検査を行い、薬の効果や副作用を確認することが推奨されます。

脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症は、いずれも生活習慣の影響を受けやすい病気です。これらの病気を予防するためには、早期の検査と生活習慣の見直しが非常に重要です。当クリニックでは、専門医が個別に診断し、患者様一人ひとりに最適な治療計画を提供して参ります。

当院では、専門医による適切な診断と治療を行い、患者様が健康的な生活を送れるようサポートいたします。生活習慣病に関するご相談や治療方法について、まずはお気軽にご相談ください。